認知症マフは、もともとイギリスで生まれ、日本にも広がってきたケアアイテムです。
手を入れて触れることができる、カラフルで温かく、さまざまな素材や飾りがほどこされた筒状の織物で、視覚や触覚への心地よい刺激を目的としています。
2021年には、関西医科大学リハビリテーション学部 准教授 三木恵美先生による調査が行われ、「マフに触れることがライフレビュー(過去の記憶を呼び起こすこと)や回想を促し、精神・心理面によい影響をもたらす可能性が示唆された」と報告されています。
また、看護分野においても、浜松医科大学 看護学口座教授 鈴木みずえ先生が、認知症の入院患者様を対象に認知症マフを使用した研究を行っています。
認知症マフは、認知症を予防したり、症状を直接的に改善するものではありません。
しかし、入院や施設利用など、環境の変化に戸惑いや不安を感じやすい高齢者の方にとって、手触りがよく、温かみのあるマフに触れることは、心を落ち着かせるきっかけになります。
その結果として、
・精神的な安定につながる
・自然な会話や回想が生まれる
・医療者・介護者とのコミュニケーションが広がる
といった相好的な良い効果が期待されます。
私たちは、認知症マフを「治療」ではなく、その人の気持ちに寄り添うためのやさしいツールとして取り入れています。
「ぬくもりが、不安を包み込む」
~看護師スタッフが手作りした、寄り添うためのケアツール~